1日の塩分量について

あい
久野先生こんにちは。
今回は1日の塩分量について質問です。

今日で36週となり臨月に入りました。
今日の検診で 、尿蛋白が+と出てしまいました。
ネットで調べると妊婦の1日の塩分量は7gとありますが、尿蛋白が出ていても7gというのは変わりないのでしょうか?
味の濃い食べ物を食べているつもりはなかったので、尿蛋白+が出たのが不思議です。
血圧は問題ありませんでした。   

2020/11/25 21:45

久野多恵

管理栄養士
あいさん、おはようございます。
いつもご相談頂きありがとうございます。

妊娠中は血液量が増えるために腎臓に負担がかかり一時的に尿蛋白が出る事があります。
このほかにも、塩分の摂りすぎ、精神的ストレス、運動の負荷、たんぱく質の摂り過ぎ、腟からの分泌液が尿に混ざるといったことが原因で、尿蛋白が一時的に陽性になることがあります。

この中でも塩分過多の食事は腎臓に負担がかかり、たんぱく尿と血圧高値が伴う場合は、妊娠高血圧症と診断されてしまう場合がありますので、予防の基本として体重を増やしすぎない事と塩分を摂りすぎない事は日頃から気をつけて行くようにしましょう。

現状では血圧にも問題ないですし、味が濃いものを食べていないご様子なので、ひとまず安心ですね。
 
日本食はどうしても塩分が多く使用されてしまいますので、日本人の1日の目標値は世界に比べても高く設定されています。今までは、男性8g未満、女性7g未満という塩分の目標値でしたが、2020年に食事摂取基準が改定されたばかりで、男女ともに塩分摂取の目標値が0.5gずつ下がりました。男性7.5g未満、女性6.5g未満という目標値である為、なおさら塩分には注意が必要になってきますね。この基準は、かなり厳しい数値になります。尿蛋白が出ていても医師の指示が無い限り6.5g未満と考えて良いです。6.5未満を達成するのは、日頃から高い意識での減塩が求められます。

外食などでどうしても塩分の多いものを食べてしまった場合は、その他の食事2食は減塩メニューにして、1日でも過度に摂らない様に工夫する事が大切です。 1食当たりの塩分量は2.0未満になるようにしましょう。

減塩のコツとしては以下の通りです。
●だしをきかせる。(塩分入りの粉末だしではなく、天然だしを使用する。)
●香りをきかせる。(生姜、ゆず、わさび、スパイスなどを使用する。)
●酢や柑橘類などの酸味をきかせる。
●食材本来の持ち味を活かす。
●調味料は計って使う。(食卓に調味料を置かない。)
●外食時や市販の惣菜を利用するときは特に塩分表示に注意する。

汁物は、薄味にし中に入れる具材を多くしましょう。野菜類が増える事で汁量が減りますので、減塩になりますし、野菜類に含まれるカリウムがナトリウムの排泄を促しますので、体から塩分を出してくれる働きをしてくれます。 毎食しっかりと野菜を摂るようにしましょう。 

汁物やスープ類はどうしても塩分が多くなりますので、減塩を意識しても1杯で1g程度の塩分が摂れてしまいます。1日1回程度にして、具だくさんの汁物を意識しましょう。

妊娠高血圧の予防の為には、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル、代謝を活発にするビタミン類を十分にとる事も大切です。
野菜、きのこ類、海藻類、果物類、乳製品、たんぱく質をしっかりと摂る事でこれらの栄養素が補えます。

今後は、休養と必要な栄養素を十分にとり、ストレスを避け、リラックスした気持ちで生活する事が大切です。また、減塩や野菜不足に気をつけつつお過ごしいただけると安心ですね。
お身体お大事になさってください。

2020/11/26 9:16

あい

妊娠36週
お返事ありがとうございます。
とても詳しい説明ありがとうございました。
土曜日(21日) 〜水曜日(25日)までほとんど寝て過ごしていたので、精神的ストレスも少しは影響していたのでしょうか?
またタンパク質を意識していたので、先生がおっしゃるように取りすぎて いたのかもしれません。
タンパク質の取りすぎというのは、どこまでを言うのでしょうか?
また、食パンやうどんより、ごはんの方が良いとかは有るのでしょうか?
朝は毎日パン、お昼はうどん、夜は白米をを食べています
 

2020/11/26 11:25

久野多恵

管理栄養士
あいさん、お返事ありがとうございます。

土曜日から水曜日まで横になって過ごされていたのですね。 体調は大丈夫ですか? 
精神的なストレスがあれば、それが影響して一時的にたんぱく量が出る事もあります。 

たんぱく質の摂り過ぎというのは、目安量を大幅に超える量です。 たんぱく質は、貧血予防のためにも、代謝をあげる為にもとても大切な栄養素です。 妊娠期は特に優先して食べていただいてよいものですので、故意的に減らさないようにしましょう。
たんぱく質の適量というのは、下記の妊産婦のための食事バランスガイドを参考にしてくださいね。

 【妊産婦のための食事バランスガイド】(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

食パンやうどんそのものには塩分が含まれますので、塩分のないご飯の方が減塩にはなります。 
ただ、この時期のたんぱく尿は生理的現象という事もありますので、食事に対して過度に心配なさらずに、先述したような工夫でいつも薄味を意識して頂ければ良いと思いますよ。
麺類の汁は多いもので6~7gの塩分が摂取出来てしまうものもあります。 麺類の汁は残しましょう。

2020/11/26 22:06

あい

妊娠37週
おはようございます。
切迫診断され、横になっている期間がありました。
元気だけれど動けないという精神的ストレスが、知らずと溜まったのでしょうか?

バランスガイドは母子手帳にも記載があり見ていましたが、いまいちこの見方が分かりません(^_^;)
5〜7つ(SV) ということは5個分?ってわけではないですよね。
見方を教えていただきたいです。 

2020/11/27 8:21

久野多恵

管理栄養士
あいさん、お返事ありがとうございます。
今回のたんぱく尿の原因がそこにあるという医学的な判断は出来ませんが、精神的ストレスが知らずに溜まっていた可能性もあるかもしれませんね。

バランスガイドの見方についてご説明しますね。
今回は主菜(たんぱく質)を摂りすぎていないかとのご相談でしたので、主菜のところをご覧くださいね。

主菜の非妊娠時は1日に3~5つ(SV)となっています。 料理例が記載されていると思いますが、この料理例を組み合わせて、1日3~5つ分が目安量という事になります。 例えばこの料理例で考えると、焼魚(2つ)+納豆(1つ)+目玉焼き(1つ)を1日で召し上がると、4つ分となり、丁度目安量となりますよね。 妊娠後期を見て頂くと+1となっていますので、目安量が4~6つとなります。 非妊娠時よりもしっかりとたんぱく質を摂取すると良いという事になります。
おおよその目安ですが、大豆製品や卵類は1つ分、魚料理は2つ分、肉料理は3つ分と考えるとわかり易いかと思います。

あいさんは、妊娠後期でいらっしゃるので、1日4~6つ分とれるようにすると良いですね。



2020/11/27 21:29

あい

妊娠37週
おはようございます。
とても良く分かりました。
ありがとうございました。 

2020/11/28 11:16

久野多恵

管理栄養士
あいさん、お返事ありがとうございます。

ご理解いただけて良かったです。
また何かお困りのことがあれば、いつでもお声掛け下さいね。

2020/11/28 22:49

相談はこちら

相談受付中の専門家

妊娠36週の注目相談

妊娠37週の注目相談

妊娠中の食事・体重管理の注目相談

相談はこちら

相談受付中の専門家