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無痛分娩の誤認識

ちぃ☆
こんなこと相談されても困ってしまうかもしれませんがすごく悩んでいて1人で抱え込むのが苦しいので相談させて下さい。

現在11ヶ月の娘がいます。1才を前に先日、夫の父方のおばあちゃんの家に娘を会わせに行きました。

そこで夫が、私が無痛分娩だったことをおばあちゃんと叔母さんに話しました。特に聞かれたわけではないですが、なぜか自分から突然その話題を出しました。

叔母さんの反応は
「無痛分娩だとリスクもあるのに…」「痛くないから上手くいきめない…」といった感じでした。

私は無痛分娩のことをしっかり調べて、産後の回復のことや自分の持病の発作のことも考えて、無痛分娩のリスクも理解した上でたくさん悩んで考えて無痛分娩を選択しました。
私の場合、陣痛が来る度に赤ちゃんの心拍が弱まったので麻酔の投薬の許可が降りず、子宮口が全開になってやっと投薬が始まりましたが、お産の進行が速く麻酔の効果が出始めたのはほんの終盤で、それまでは普通分娩と同じ痛みに耐えました。
麻酔科医の先生から事前に「無痛分娩と言えど決して無痛ではありません」と説明をしていただいたのでそれで納得していました。

しかし、そういった背景を知らずにただ「無痛分娩だった」と聞かされたおばあちゃんや叔母さんには「痛くない楽なお産だったんだな」と思われて仕方なく、主人が突然に無痛分娩のことを言い出した動揺で上手く説明することもできませんでした。

たくさん悩んで決めた分娩方法なのでこの選択を恥じてはいませんが、私の望まない形で親戚の方々に伝わってしまったのが悲しくて今も苦しんでいます。

さらに夫は「ホテルのような豪華な産院だった」とも伝えました。確かにそうでしたがだからその病院にしたわけではなく、私の中の1番の理由はNICUがあったことでした。(近くでNICUのある産院はそこだけでした)

ですが「無痛分娩ができるからその産院を選んだ」「ホテルのように豪華な産院だった」という一部の事実のみの夫の伝え方では、「痛い思いをしたくなくて、かつ贅沢な入院生活を送りたくてその産院にしたんだな」と思われて当然だと思います。
だからと言ってそのことを悪く言う方々ではないことは分かっていますが、私の望まない形でばかり伝わってしまい、私は涙が出るほど悲しいです。

できれば妊娠や出産に関わるデリケートな話題を自分から言い回ることはしてほしくなかったです。無痛分娩したことを親戚の方々に話したいのであれば、きちんと正しい伝え方をして欲しかったです。

長文で回答に迷うようなことばかり書いてしまい申し訳ありません。。。

2024/4/18 9:32

古谷真紀

助産師
ちぃ☆さん こんにちは。

ご主人が、身内の集まりで、ちぃ☆さんの出産体験について語ったことが、望まない形と内容で伝わったような気がして戸惑いを感じていらっしゃるのですね。

出産に関しては、産んだママの気持ちが大切で、周囲の人が良いor悪い、大変だったorラクだったと言うものではありません。しかし、なぜか、周囲の人が、出産した女性の気持ちを無視して、なんだかんだ言いたがる文化があるのは否めないところもあります。

ちぃ☆さんは、事前によく調べて、考えて、自分とお子さんのためを思って、無痛分娩を選択したこと、医療的な安心を考慮して、NICUのある病院を選択されたこと、出産の瞬間に携わった医療スタッフも、母体のことと、赤ちゃんにとってベストなタイミングで、麻酔を導入したことなど、すべては「安全に出産すること」を目標にした、良き選択と判断だったと私も感じます。

本来、どんな出産方法であっても、目標は「安全に出産すること」なのですが、なぜか非医療的なお考えの方たちや前時代的な思想をお持ちの方は、「痛みがない出産こそ自然な出産だ」「痛みに耐えてこそ母親だ」「無痛分娩は危険だ」という価値観を主張し、他者へ押し付けるところはありますよね。
出産や女性に対する日本人の考え方や文化が、なぜか現在国内でも少しずつ増えつつある無痛分娩をワルモノにしたがる風潮はあるので、どうにかならないものかと私も日々感じるところがあります。

ご親戚の反応として挙げられた「無痛分娩だとリスクもあるのに…」「痛くないから上手くいきめない…」については、スルーしてくださってよいですよ。確かに無痛分娩にはリスクはありますが、そもそも出産は命がけで、どんな出産方法であってもリスクはあります。また、痛くないから上手くいきめないわけではなく、麻酔の使用を関係なしに、上手くいきめない時はありますし、そもそも「いきみ」を他者と比較して、上手か下手か判断するものでもありません。もし、いきみが下手だったとしても、赤ちゃんが無事に生まれてくれば結果オーライです。

ちぃ☆さんが、自分で考えて選択して、納得のいく出産をしたのに、おそらくこれまでの人生において、無意識に刷り込まれていた「出産や女性に対する考え方や文化」と、それに対する自分の価値観や賛同しない気持ちが、今回のエピソード(=夫が身内に望まない形で語った)によって、改めてはっきりしたために、今回もやもやっと感じたものと察します。

もし、ご主人やご親戚の、出産や女性に対する考え方や文化が古いままであったならば、それはちぃ☆さんは辛く、傷つくことでしょう。でも、出産体験は「ちぃ☆さんのもの」なので、他者の価値観で判断する必要はありませんよ。
妊娠中からよく考えて、良き選択をして、医療的に正しい判断をしてくれる医療スタッフと共同して、無事出産をして、お子さんを育てられていることが、なによりもの証拠です。

今回、やりとりをしたご親戚の方(おばあちゃん&叔母さん)と毎日一緒に生活をするとか、子育てのサポートをしてもらうような近い関係ならば、ちょっと今後の関わり方を考えなければならない部分もありますが、たまにお会いする程度ならば、適度に、適当な距離感で関わっていけばよいと思います。
もしかしたら、出産方法やお住まいのエリアなどの条件で、無痛分娩を選択できなかった世代かもしれませんし、それこそ前時代的な出産や女性に対する考え方や文化を無意識に刷り込まれて育った世代かもしれませんね。そのような世代は、自分たちにはなかったものに対して抵抗感を示すのも無理はありません。

中には純粋に悪気なく、無痛分娩を否定する発言をしてしまう方もいらっしゃるので、世代を超えた優しいおせっかいとして受け止めて、聞き流すことをおすすめします。いちいち傷つく必要はありません。なぜなら、時代はすすみ、医療は進歩していますので、そこらへんは、時代に合ったことをやるほうが「自然」でしょう。

ご主人については、出産について、夫婦のものとして共有できていないところがあったのかな?とも感じました。

ただ、言葉だけはわからない部分もあります。

「無痛分娩だった」という発言には、
無痛分娩に対してネガティブな感情があったから、そう発言したように感じるかもしれませんが、

・うちの奥さん、今ドキな出産したんだぞ!いいでしょ!
・出産は痛いっていうけど無痛分娩を選択して、奥さんも赤ちゃんも無事だったんだぞ!すごいでしょ!
・無痛分娩にはリスクがあるって聞いたから心配だったんだけど、実際には満足のいく出産だったんだよ!

というような、自慢したい、ほめてほしい、あるいはただ本当に話題提供として、そう発言した可能性もありますよ。

また、「ホテルのような豪華な産院だった」という発言もネガティブなニュアンスに聞こえるかもしれませんが、

・自分がイメージしていた産院とは違って、驚いたんだよね
・病院って暗いイメージあるけど、産院って違うんだな
・豪華な産院だったけど、入院費などそれほどかからなかったんだよね

というような感じで、ただのご主人の感想というか、描写するために話を盛って伝えていたところもあるかもしれません。

もし可能であれば、ご主人と出産の振り返りといいますか、それぞれの無痛分娩に関する感想を改めて共有されるとスッキリするかなと思いました。
「私(=ちぃ☆さん)は〇〇と思って無痛分娩を選択して満足している。ただ、この前(ご主人が)××と発言してたのが、ちょっと私の気持ちと違うように感じて、私は傷ついたんだよね。(ご主人の)気持ちを責めたいとか謝ってほしいとか、そういうものではないけれど、私が傷ついたということだけ、ちょっと覚えててほしい。」というようなニュアンスで伝えると、ご主人の気持ち、本音を引き出せるかもしれないな、なんておせっかいながら思いました。
こういう会話って、それこそデリケートな話題で、夫婦によっては、お互いにお互いを気遣いすぎて話題にできなくて、結果的にどちらかが傷ついたり、不安になったまま気持ちを閉じ込めてしまうことがあるので、できるだけ、小出しにして解決できると、子育てをより楽しめるかな、なんて思います。

長々書きましたが、私のアドバイスも、おせっかいなので、合わないな、それできないなって思ったら、読み流していただいてかまいません。

ただ、無痛分娩したことをネガティブに思ってほしくないですし、出産方法のひとつとして無痛分娩を選択しやすい世の中になってほしいと思っているイチ助産師として、応援のメッセージを回答させていただきました。

ちぃ☆さん、本当に毎日子育ておつかれさまです!


2024/4/20 12:00

ちぃ☆

0歳11カ月
とてもご丁寧なご回答をありがとうございます。読みながら涙が止まらなくて、あと気づいたこともあります。

主人がおばあちゃんと叔母さんに話したときの口調から、悪気はなかったんだろうなとは感じていました。先ほど主人に訊ねると案の定「ただ会話のネタとして話しただけ」とのことでした。
ただ主人がネガティブな意味で話した訳ではないことを改めて知ったとしても、親戚の方々に望まない形で把握されている現在の状況はそのままで、その面では今でも悲しいです。
あまり体力がないことや持病の発作のことも考えたくさん悩んで決めたこと。お産の時は赤ちゃんの安全のため終盤まで麻酔は入れず、それまでは何時間も普通分娩と同じで陣痛の痛みに耐えたこと。実際はそうだったとしても、主人の伝え方(背景は言わず無痛分娩したという表面上の事実のみ伝える)では

「痛い思いをしたくないから無痛分娩を選択した」「無痛分娩だったから全く痛い思いをせず楽して産んだ」

と、実際とは違う形で伝わってしまって、この誤認識を解くことは今さらできず、ずっとどこかモヤモヤしながら生きていくことになるのかもしれません。
大して関わりのない親戚に誤認識されていることなんて気にしなくていいと頭では分かっていても、自分の意思とは関係なく心は苦しんでしまい、こんな自分の性格にも嫌気がさしてしまいます。。

だけどそれは、無意識のうちに私の中にも無痛分娩への後ろめたさがあったからなのかも知れないと、古谷さんの返信を読みながら気づきました。
無痛分娩したことを自分では全く恥じてはいないつもりでしたが、誤認識されている今の状況が辛く感じるのは、無自覚に私の中にも後ろめたさがあるからなのかもしれません。

どうしたらこの無自覚の後ろめたさを消せるのか分かりませんが、気がついただけでも進歩かもしれません。

主人は、出産というデリケートなことを軽く話題として出してしまったことで私を傷つけてしまって申し訳ないと謝ってくれました。現状が変わるわけでも解決するわけでもないですが、辛い気持ちを理解してもらえて、ほんの少し気持ちが楽になった気がします。

とても回答に困るような相談をしてしまったかもしれないと思っていましたが、アドバイス本当にありがとうございました。
無痛分娩のことも、産院選びのことも「良い選択と判断だった」と言っていただけて嬉しかったです。

2024/4/20 17:53

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