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ラッコ抱きへの不安

みみ
2ヶ月近い赤ちゃんです。
夜間に泣くことが多く、縦抱きをすると泣き止んで寝てくれるのですが、どれだけ寝入ってもベッドに置くと起きてしまいます。
ずっと抱っこできるのが理想的ですが体力的に叶わず、
健診の際助産師さんに相談したところラッコ抱きを勧められました。
それから赤ちゃんが泣く度に旦那が積極的にラッコ抱きをして一緒に寝ています。
寝てくれる安心感はあるのですが、勧められた寝方とはいえ正直避けて欲しい寝方です。
というのも、乳幼児突然死症候群への不安が大きいからです。
冬生まれ、男児、夜間ミルク(日中母乳)、夜間〜早朝、うつ伏せ寝の因子があり、身体がぴったりくっついているためうつ熱も心配です。
旦那に簡単にその話をしたのですが
顔は横にしているから窒息のリスクはないし、背中に手を置いているから呼吸に異常があったらすぐわかるし大丈夫
と流されてしまいました。
私の中では異常が起きてからでは遅いと思っているので、そもそもの要因を減らしていきたいのですが
助産師さんから勧められたこと、旦那自身医療者であることもありこちらから強く言えません。
ラッコ抱きで赤ちゃんが落ち着くのも事実です。。
なにより家事育児にとても積極的な旦那に1度言ったことを再び指摘するのは水を差すようで、1度指摘して以来言っていません。

話がまとまらなくてすみません。
お聞きしたいのは、
・ラッコ抱きで入眠することについて助産師さんの考え
・ラッコ抱きはいつまでOKなのか
・旦那への伝え方
についてです。
よろしくお願いいたします。

2024/4/4 6:11

古谷真紀

助産師
もちさん おはようございます。

生後2か月を迎える赤ちゃんの寝かしつけと、ご主人と事故予防の知識にどのように共有したらいいか悩んでいらっしゃるのですね。

「ラッコ抱き」というものは、専門用語ではないため、どのような方法なのかが曖昧なのですが、「親は仰向けの姿勢の親の胸やお腹の上に、うつ伏せの姿勢の赤ちゃんを抱っこしている状態」という解釈で回答させていただきますね。

健診で助産師がなぜラッコ抱きを推奨したのかが定かではありませんが、基本的に寝かしつけの方法として推奨できるものではありません。もちさんのお察しの通り、窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生リスクとなるからです。
おそらく、泣き止まない状態を一時的にあやすためや、入眠するまでの寝かしつけとしては効果があることから、健診で助産師はラッコ抱きをお伝えしたのかもしれませんね。

身体を密着させると安心できることから、赤ちゃんは落ち着きますし、ご主人も「この程度なら対応できるから大丈夫」と思っていらっしゃるのでしょう。

子どもの発達上、自分で自由自在に寝相を変えられるようになるまでは、うつぶせ寝をすると、窒息や呼吸停止の危険性が高まります。
SIDSの8割は生後6か月頃までは起こるというデータがあります。SIDSはなんの予兆もなく発生する生命に関わる原因不明の病気です。
仰向けで眠っていてもSIDSは発生することはありますが、うつぶせ寝だと眠りが深くなり、目覚めにくいのではないかと推測されています。
SIDSを予防するために、なるべく仰向けのままで寝かしつけること、柔らかい寝具は避けることが重要です。

また、寝かしつけの方法について、習慣や環境に慣れてしまうと、なかなかその方法から変わらない(変えられない)ことが起こり得ることです。
月齢がすすんで、成長と共に、自然と睡眠習慣が変わる子もいれば、そうでない子もいます。
赤ちゃんが自ら習慣や環境を変えていくというものではないので、必要に応じて親側が意識的に変えていくことが大切です。

月齢的に、夜間連続して眠ることが難しかったり、寝入るまでに30分以上かかるのは自然な状態です。
子どもの眠りは浅いので、夢を見つつ半分起きているような状態でも泣きが起こりやすいことがあります。寝落ちする瞬間に抱っこされたりあやされることで驚いて、泣きだす子もいます。

また、お子さんが眠くないタイミングで寝かしつけされると、すんなりと眠れないことがあります。
抱っこからおろしてすぐ目覚めるという状況でも、最低2~5分間、できれば15分間程は抱っこせず、声をかけたり、身体にふれる、布団の上に寝かせたままトントンするなど、添い乳や抱っこ以外の方法であやすことを繰り返すと、いずれそれが習慣になるでしょう。

「ずっと抱っこできるのが理想的」とありますが、これから長く続く子育てで、ずっと抱っこは大変なことですので、そこはこだわらないでください。抱っこ以外の方法でも、赤ちゃんの機嫌がなおるということにも、少しずつ親子でお互いに慣れていきましょう。
赤ちゃんもこれからは、自分の意志で自分の身体を動かせること、自分で自分の機嫌を調整することを学習していきます。「ずっと抱っこ」で過ごしてしまうと、赤ちゃんの身体の動きを制限してしまいますし、抱っこ以外で気持ちを落ち着かせるチャンスを逃してしまいます。「抱っこしたい」「抱っこで泣き止むならそれでいい」という親心もあるかと思いますが、子どもの体重が順調に増えるほど、親の体力&筋力にも負荷がかかりますので、親の健康管理のためにも「ずっと抱っこ」は避けてほしいなと思います。

さて、ご質問について回答していきますね。
>・ラッコ抱きで入眠することについて助産師さんの考え
→窒息や転落(ご主人の身体から赤ちゃんが落ちる)の危険を避けるためには、ラッコ抱きをしたまま入眠することはおすすめしません。

赤ちゃんはうつぶせ寝に近い状態なので、深い眠りにつきやすいですが、深い眠りが続くと目覚めにくい状態となるため、SIDSの発生リスクとなります。
鼻や口をふさいだ状態ではなくてもSIDSは発生します。そのため、ご主人の発言にある「顔は横にしているから窒息のリスクはないし、背中に手を置いているから呼吸に異常があったらすぐわかるし大丈夫」は通用しない部分があります。

眠りが深くなった時に身体をモゾモゾ動かして自ら覚醒を促す反射は生きていくのにとても重要で、子どもの眠りが浅いのは自然なことです。
そのため、子どもの自由な姿勢や移動を妨げることは、発達の妨げとなるケースもありますので推奨はしません。

>・ラッコ抱きはいつまでOKなのか
→上記に書いた理由にある通り、一時的にあやす方法としてはよいですが、寝かしつけや入眠してからも続ける方法としてはおすすめできないため、いつまでOKというルールもありません。


>・旦那への伝え方
→ご主人は自然と、善意で行動できているところがあるので、素晴らしいですね。

・SIDSは、息ができないために起こるのではなく、眠りが深いと起こりやすい。うつぶせ寝だと眠りが深くなり、目覚めにくいため、ラッコ抱きで寝かしつけるまではOKとしても、赤ちゃんが入眠してからはやめたほうがよい。
(SIDSって窒息とかうつ伏せだけが原因じゃなくて、眠りが深いと起こりやすいらしいよ、って伝えてみてください)

・親も眠ってしまい注意を払う状況でなければ、お子さんに窒息や呼吸停止の起こる危険性はある。
子育てにおいては、なんでも「慣れ」てきた頃に事故は起こりやすい。パパも寝かしつけに「慣れ」ると、一緒に深く眠ってしまう可能性はあるし、逆にパパ自身がしっかりと休息をとれない可能性もある。親子が安心して、安全に眠るためには、ラッコ抱きで寝かしつけはOKとしても、赤ちゃんが入眠したら布団に寝かせる習慣をつけたほうがよい。
(ご主人が医療従事者ということは、何ごとも「慣れ」が事故を起こしやすいということは理解されるかな、と思います。あと、パパの睡眠不足はママも心配、ママも睡眠不足はイヤと一言添えるとよいかも。)

・乳児の睡眠習慣や眠るときの姿勢の好みは、生後6か月前後で習得されていくという研究報告はあるので、なるべく仰向けで寝かせるように習慣づけていったほうが親も安心。
(生後6か月前後までに好みの寝相が決まるらしいから、なるべく仰向けに寝かせたほうがいいらしいと豆知識風に伝えるとよいかも。)

・日中や夜間に抱っこなどで自由な動きを制限される時間が長いと、なかなかゴロゴロ転がるような動作を自発的に好まない、やらない子もいる。赤ちゃんも、自分の身体を自分で動かすことを学ぶ段階なので、「ずっと抱っこ」を避けるのも親としての役割。
(親にとって抱っこが苦じゃなくても、それが子どもの自由な動きを妨げることにもなるらしいと豆知識風に伝えるとよいいかも。)

・寝かしつけの方法について、習慣や環境に慣れてしまうと、なかなかその方法から変わらない(変えられない)ことが起こり得る。ラッコ抱き以外で眠らないという状態は、今は良いと思っていても、今後親が困ると思うので、事故予防と睡眠リズムを作るためにも抱っこ以外で寝かしつけられるように習慣は変えたほうがよい。
(子どもの習慣を変えるには数週間かかることが多いので、寝かしつけの方法はできるだけ、リスクや負担の1つの方法に固定しないほうが良いらしい。布団の上に仰向けに抱き下ろしたら、スっと寝てくれるのが親にとって負担は少ないし、夫婦お互いにどちらかが不在でも寝かせられる方法を目指したい、と希望を伝えてみるのはいかがでしょうか。)


専門家の立場によって助言が異なり申し訳ありません。きっと、その時々の(その瞬間の)状況に応じて専門家も助言しているので、子どもの発達や家庭の状況の変化すると、過去の助言が合わなくなることもよくあることです。
ただし、今回のようなお話は、やはり生命に直結する話なので、事故予防は優先してほしいなと思います。あとは、ママとパパの睡眠不足は避けてほしいですし、お子さんの発達も気にしてほしいなと思いました。

ご主人のやり方や考えを否定はせずに、月齢が進んできたから、子どもの安全と発達を考えると、寝かしつけの方法は配慮したほうがいいらしいよ、親もしっかり睡眠とれるように習慣づけたほうがいいらしいよ、という部分をメインにお話してみてはいかがでしょうか。

参考になれば幸いです。

2024/4/5 10:21

みみ

0歳1カ月
ご回答ありがとうございます。
危険という認識は間違っていなかったようで安心しました。
旦那ともう少し話し合おうと思います。

抱っこしないと本当に寝ないです…
賃貸なので、近所迷惑を考えて、すぐに泣き止ませようと抱っこしてしまいます。
おしゃぶりをして横にするのはあまりよくないでしょうか?

2024/4/5 22:08

古谷真紀

助産師
もちさん ご回答ありがとうございます。

>抱っこしないと本当に寝ないです…
賃貸なので、近所迷惑を考えて、すぐに泣き止ませようと抱っこしてしまいます。
おしゃぶりをして横にするのはあまりよくないでしょうか?

→一時的に泣き止ませるために、おしゃぶりを使うことはかまいませんが、入眠したら必ず外してください。おしゃぶりの使用もうつ伏せ寝と同様に深い眠り=SIDSの原因となる可能性があります。

赤ちゃんは、空腹やおむつ交換、ゲップやオナラを出したい、暑いor寒い、音や光が気になる、眠い、服や布団が整っていなくて不快、指に糸くずや髪の毛が巻かれて痛いなど、身体の変化を不快に感じて泣くことがあるので、泣いたらまずは思い当たる理由を考えて対応してください。


なにか対応しても泣き続けるときは、特に理由なく泣いている可能性もあります。
近隣への影響も気になるかもしれませんが、赤ちゃんを泣かさない、赤ちゃんを連続して眠らせるということは、現在の月齢における自然な行動や発達に対して反対の行動になるので、親の期待通りに泣かせない&泣かさないことは難しいかもしれません。

ご主人も医師からの説明であれば、理解が深まるかもしれませんね。
もし「泣き」に悩む場合は、小児科へぜひご相談ください。

2024/4/6 17:15

みみ

0歳2カ月
ありがとうございます!

2024/4/10 21:35

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