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口唇ヘルペスの感染予防

おはむ
2歳と新生児の子を育てています。

親の私が口唇ヘルペス再発しました。
何度も再発していて辛いので、子二人には絶対うつしたくないのですが…。

ということで、常にマスクをしています。

しかし、ネットを見ると
・手をよく洗う
・ タオルは使い回さない
・頬ずりやキスをしない
 ・お世話しない
 
とありましたが、
質問① ・手をよく洗う
→具体的にどのくらい洗えば良いですか?
水やぬるま湯だけじゃヘルペスウィルスは落ちないのでしょうか。

質問②・タオルは使い回さない
→患部に触れていなければ共用しても大丈夫じゃないですか?
顔拭いたタオルとかなら分かるのですが、指先からウィルスが出るわけじゃないですよね?

質問③・ 頬ずり、キスをしない
→これも患部に触れさえしなければ大丈夫じゃないですか?キスは唇なので無理ですが
頬ずりはほっぺですよね

質問④
患部の水疱にウィルスがあると思っていたのですが
再度調べたら、なんと唾液と涙にもウィルスが含まれるのだとか。
しかも一旦完治しても唾液には少量排出されているとか。
これはもうマスクしてお世話すればそれなりに防げますか?他にできることはありますか?
流石に完治(一旦治る) してからマスクはつけませんが…。
 
感染力が強く、割とみんなかかる(主に親から)ウィルスというのは知っていますが
 何度も再発して、水疱に注意して大変なので
こんな思いをしてほしくなく
 子どもにはかかってほしくないのです…。 
また、感染しても発症しないこともある、というのも知っていますが…。
(私の親はなったことがない。けれど私、兄弟はしょっちゅう発症する…。何故でしょうか。絶対親からうつってるはずなのに)    

 ご回答お願いします

2023/12/23 23:57

古谷真紀

助産師
おはむさん こんにちは。

口唇ヘルペスが再発をして、いろいろと疑問が湧いていらっしゃるのですね。

出産後は、睡眠不足や疲労の蓄積などによって、抵抗力が低下しやすいために、口唇ヘルペスが再発しやすい時期です。上のお子さんもいらっしゃるので、ご自身の体調の回復を優先させる生活は、なかなか難しいかもしれませんが、なるべく可能な範囲で休息・睡眠を心掛けてくださいね。


さて、諸々のご質問へ回答する前に、感染症が起こる仕組みについて少々解説させてください。

感染を起こす3つの要素が完全に揃うと、感染症は起こります。
要素①は細菌やウイルスなどの病原体が存在すること、要素②は病原体が体内に侵入する経路(=感染経路)があること、要素③は感染の原因となる細菌やウイルスなどに対して抵抗力のない人(宿主)です。

感染を起こす3つの要素が完全に揃わないように、つまり感染症を起こさないようにするには、対策①細菌やウイルスなどの病原体をそのものを取り除くこと(例:加熱、消毒)、対策②感染経路を遮断すること(例:手洗いやうがい、マスク、換気、病原体に触れないように工夫する等)、対策③細菌やウイルスなどの病原体に対して抵抗力を高めること(例:予防のためのワクチン接種、栄養バランスの取れた食事をとる、十分な休息と睡眠をとるなど)です。

細菌は単独で増えることが可能ですが、ウイルスは人間の体内に侵入しないと増えることができません。
口唇ヘルペスを引き起こすウイルスは、一度感染すると体内に住み続けるため、再燃を繰り返しやすい感染症です。

要素①「ウイルス」と要素②「感染経路」があり、ウイルスが付着した人が、要素③抵抗力のない人であれば、3つの要素が完全に揃う、つまり感染が起こるという仕組みです。


このような特徴をふまえて、頂戴したご質問へ順番に回答していきますね。
>質問① ・手をよく洗う
→具体的にどのくらい洗えば良いですか?
水やぬるま湯だけじゃヘルペスウィルスは落ちないのでしょうか。
→→口唇ヘルペスを引き起こすウイルスは、感染力の強いタイプで、症状がある人から感染する接触感染、ウイルスが付着した物を介した感染が主な感性経路となります。
通常は、皮膚には身体をウイルスから守るバリア機能があるので、ウイルスが皮膚に触れただけでは感染しませんが、皮膚に湿疹や傷などがあれば、そこからウイルスが侵入して感染を起こすことがあります。単純ヘルペスウイルスは、比較的熱に弱いタイプなので、湯で洗ってもかまいませんが、感染症予防としては、基本的な手洗いの方法でよいです。ただし、人によっては、手のひらや指の先だけ水で濡らして「よく洗った」と主張される方もいらっしゃるので、普段からきちんと手洗いをされる方には「よく洗いましょう」という文言が際立って判断に迷うところがあるかもしれませんね。

基本的な手洗いの方法については下記動画を参考にしてください。
◆参考:正しい手洗いの方法 厚生労働省https://www.youtube.com/watch?v=Eph4Jmz244A



質問②・タオルは使い回さない
→患部に触れていなければ共用しても大丈夫じゃないですか?
顔拭いたタオルとかなら分かるのですが、指先からウィルスが出るわけじゃないですよね?
→→症状がでているときは、患部にウイルスがたくさんいます。無意識に、患部に触れた手指が、他の身体の部位や衣服などに付着することがあります。その付着したウイルスに他者が無意識に触れることを避けるために、タオルの共有は避けましょうという助言です。ウイルスは人間の目に見えないので、感染経路を遮断することが大切です。
タオルを共有した自分以外の人が、ウイルスに抵抗力がある人であれば、感染を起こす3つの要素が完全には揃いませんが、そもそも感染を成立させないために、対策②感染経路を遮断することとして「タオルは使い回さない」が予防策となります。

質問③・ 頬ずり、キスをしない
→これも患部に触れさえしなければ大丈夫じゃないですか?キスは唇なので無理ですが
頬ずりはほっぺですよね
→→こちらも質問②の回答と同様に、症状がでているときは、患部にウイルスがたくさんいるため、できる限りウイルスの付着する部位や場所はひろげないこと、感染経路を遮断することが大切という意味での助言です。

質問④
患部の水疱にウィルスがあると思っていたのですが
再度調べたら、なんと唾液と涙にもウィルスが含まれるのだとか。
しかも一旦完治しても唾液には少量排出されているとか。
これはもうマスクしてお世話すればそれなりに防げますか?他にできることはありますか?
流石に完治(一旦治る) してからマスクはつけませんが…。
→→ウイルスは体内に住み続けているため、患部のみに存在するというわけではありません。水泡などの症状が出ている時は、患部にたくさんのウイルスがいるという意味です。
口唇ヘルペスの症状が出ているときは、感染が起こる3つの要素が完全に揃わないように、マスク着用でウイルスの付着をひろげないこと、患部にお子さんが直接接触するような行為(ほおずり、キス)は避けることが大切で、食器やタオルの共有はさけることが一番の対策です。

また、普段からできることとしては、お子さんたちのスキンケア(泡で洗浄、保湿)を心掛けて、お子さんたちの肌のバリア機能を健やかに保つことも予防策となります。ご自身の抵抗力を高めるために、子育てしながらですと、なかなか難しいのは承知ですが、バランスのよい食事、十分な休息・睡眠、ストレスをため込まない生活、体調管理に気をつけた生活を心がけましょう。

助産師として可能な一般的な回答は以上となります。

ウイルスは目に見えないので、このくらい大丈夫だろうと思う気持ちはわからなくもありませんが、感染が起こる3つの要素を完全に揃えないことが基本的な予防策となりますので、日常生活で自分が良いと思う範囲で対応してもらえればと思います。

口唇ヘルペスの治療については、再発を繰り返す場合に認可されている治療法もあるので、口唇ヘルペスの治療を得意とする病院・医師へ相談することもおすすめします
◆参考:皮膚ナビ 皮膚の症状で悩むあなたの病院医師検索サイトhttps://hifunavi.ishuran.com/


お大事にしてくださいね。

2023/12/25 11:45

おはむ

1歳11カ月
回答ありがとうございます。
確かに公共のトイレで石鹸もつけず指先だけ濡らして行く人とかをよく見かけます。(不衛生な人だなーって思ってました)
そういう人たちに当てた「手をよく洗う」 ってことだったんですね。

ちなみに、お湯に弱いとありますが
具体的な温度等は分かりますか?
(調べても出てこず…) 
最近は冬で寒いので、30℃くらいのお湯で洗い物をしたりしていると思います。 

それと、タオル等の意味も分かりました。
感染を防ぐために、タオル等の共有を避けることで
 もしかしたらという感染経路遮断の意味だったんですね。
ありがとうございます。
ということはやはり、手を綺麗に洗って使用したタオルなら共有しても問題ないということですね。
比較的みんなが触るタオルを例としているだけで…。

じゃないと、冷蔵庫のドアは触らない
扉のノブは触らない
など禁止事項だらけになってしまいますものね。

2023/12/26 2:40

古谷真紀

助産師
おはむさん お返事ありがとうございます。

>ちなみに、お湯に弱いとありますが
具体的な温度等は分かりますか?
→ウイルスを死滅させる温度は高温なため、日常生活で直接触れたり、ご家庭で準備可能な湯温ではありません。

「手洗いをする際に、水でOKだけど湯でもよい」という意味でお返ししました。
誤解を招いたら申し訳ありません。

手洗いも洗濯も、感染経路を断つ手段として、日常生活で使用可能な湯温でよいと解釈して頂ければと思います。
ウイルスを限りなく減らすための手段であり、ウイルスを死滅させる手段ではないと捉えていただければと思います。

なお、口唇ヘルペスの原因となるウイルスは、大量のお湯によって薄まるため、お風呂のお湯を介して感染することはありません。

ウイルスはゼロにならないため、日常生活の中で、どこまで感染対策を受け入れるかは個々の判断となります。
より詳しく知りたいということであれば、皮膚科への相談をご検討ください。

2023/12/28 10:07

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