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リトドリンの服用と胎児への影響

ゆーちゃん
はじめまして。妊娠24週の初産婦です。
リトドリンを服用 することで、胎児への影響(リスク)はどのようなものがあるか、教えてください。
【今までの経過】  
妊娠17週で切迫流産と診断され1週間、入院しました。その時は前日に寒い中、1時間くらい散歩してしまい、翌朝の下着が湿っており、おりものが臭うな…と思いました。でもその時に問題があると気が付かず、そのまま2時間くらい買い物に出かけてしまいました。家に帰りトイレに行くと下着に茶色の出血?おりものが付いており、慌てて産院へ行き、リトドリン点滴の入院になった流れです。
【退院してから】 
今日まで1ヶ月以上の間、切迫流産にならないようリトドリンを飲み続けてきましたが、お腹の張りを感じることはなくなりました。 

リトドリンの処方は4錠(退院後1週間)→3錠(2週間)→2錠(4週間)と だんだん減ってきました。そのまま減らしていけるかと思いましたが、今も朝夕2回のままです。

 リトドリンが胎児の健康に影響する(ネット調べで①喘息にならやすい。)(産院の先生からは、心臓の疾患になりやすい?)と言われました。でも今、赤ちゃんが生まれちゃうともっと大変になるから。と言われました。

胎児の健康が心配です。
リトドリン2回のところ、自分の判断で1回に変えルナは危険でしょうか?ちなみに経管長は4センチ以上あると言われています。
 長文になってしまいましたが、
リスク回避したいので、ご回答よろしくお願いいたします。

2022/2/15 7:53

古谷真紀

助産師
ゆーちゃんさん おはようございます。

子宮収縮抑制薬(塩酸リトドリン)の内服を続けることが胎児に影響するのではないかと心配されていらっしゃるのですね。

現在処方されている塩酸リトドリンの内服について、医師の指示通りではなく、自己判断で内服回数を変えたいということであれば、医師の診断と治療方針とは異なる行為となりますため、直接医師へご相談ください。

切迫流産/切迫早産の治療の目的は、できるだけ分娩の進行を遅らせて、お腹の中の赤ちゃんへの危険性を減らすことです。
妊娠22週未満では、母体外での生活は不可能です。妊娠22週以降、母体外での生存率は上がりますが、未熟なため早産に伴う合併症(例:重症な呼吸障害、脳出血、重症な感染症、呼吸障害、低体温症、低血糖症)のリスクは高く、早産の赤ちゃんは妊娠37週以降に生まれる正期産の赤ちゃんよりに比べ、救命されてもいろいろな後遺症や合併症の発生率が高いです。

切迫流産/切迫早産 の治療に用いる塩酸リトドリンには、内服薬と点滴があります。切迫流産/早産の重症度によって使い分けますが、代表的な副作用と胎児への影響については点滴で投与されているケースを元に研究報告、注意喚起がされています。
塩酸リトドリンは、流産/早産を予防する効果は科学的に明らかにはなっていませんが、子宮収縮(お腹の張り)を抑制する効果は得られる薬として、各施設や担当医の判断で治療薬として広く用いられています。

・塩酸リトドリンと子どもの喘息について
塩酸リトドリンを点滴で①長期間投与された群と②投与していない群を比較した場合に、①の群のほうが生まれた子どもに喘息の発症する率が高いかもしれないという研究報告はありますが、喘息の発症原因はさまざまあるため、妊娠中に塩酸リトドリンを点滴しなければ発症を回避できるとはいえません。

・塩酸リトドリンと子どもの心臓への影響について
塩酸リトドリンは、子宮の筋肉を緩める作用がありますが、心臓の筋肉にも作用することがあるため、母体に動悸、頻脈などの副作用を起こすがあります。塩酸リトドリンは胎盤を通過する性質があるため、 胎児の心臓にも同様の症状が起こることがあります。健診時に胎児の健康状態をチェックして、影響が出ているとわかれば医師の判断で治療方針を変更するでしょう。ただし、心疾患を発症する原因もさまざまあるため、妊娠中に塩酸リトドリンを用いらなければ発症を回避できるとはいえません。


切迫流産/早産の治療に用いるお薬で、母体にだけ効果が得られ、胎児への影響がゼロのお薬があればいいのですが、現時点で国内外をみても魔法のような薬は存在しません。
産婦人科で用いる薬は、母体へ有益か否か、胎児へ有益か否か、どのくらいまでなら許容範囲かを常に見計らいながら処方しています。また、居住地や出産される施設の周辺に未熟児にすぐ対応してくれる大きい病院の有無によっても、医師の判断は異なるでしょう。現在はコロナ禍のため、より慎重に医師は診断/判断されていることと思います。

こちらへご相談頂いたように、できるだけリスク回避をしたいというお気持ちが強いようでしたら、治療に直接関わっている医師・助産師・看護師へご相談ください。治療に一切関わっていない者へ判断を委ねたり、web検索で不安を煽る記事や体験談を読んだり、自分にとって都合の良い回答をしてくれる者の言葉を鵜呑みにして判断を誤ることのほうがリスクです。

妊婦健診の際に、治療の利点と欠点を十分にきちんと確認して、親子にとってより良い治療法を選択してくださいね。

2022/2/15 11:17

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