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首座り前の縦抱きについて

くう
生後2ヶ月になる子どもの縦抱きや揺れが頭や首に与える影響についての相談です。生後1ヶ月半をすぎるくらいから寝ぐずりがひどくなり、縦抱き(赤ちゃんの頭を大人の肩に持たれかけ、ゲップをするような姿勢 )で赤ちゃんの腰を優しくトントンしながら軽く上下に揺らして寝かしつけをしていました。肩に頭が持たれかかっており揺れも少ないため首を支えずに行っていました。機嫌がいい時はあやすとよく笑い、手足をよく動かし、今現在ぐったりしている等の異常はみられませんが、後から影響が出る場合もあると聞き心配になり相談させていただきました。具体的にどのような異常が出る可能性があるのか、また縦抱きで揺らすことは今後控えますが、縦抱きで胸にもたれかかるような姿勢で抱きながら眠らせる事も首が座るまでは控えた方が良いでしょうか。

2021/6/28 11:13

在本祐子

助産師
くうさん、おはようございます。
ご相談いただきありがとうございます。
お返事が遅くなり、ご不安な中、失礼致しました。

お子さんのあやし方や抱っこの仕方による、首や頭部の揺れについてご不安なお気持ちになられましたね。
お調べになられますと、揺さぶら症候群などが出てきますよね。

確かにどの程度、どのようなタイミングで、赤ちゃんに危害が加えられると発症するのかわかりにくい部分があるとは思います。

日本小児科学会のホームページより、保護者の方向けの文書がありますので一部抜粋してお伝えしますね。

以下 日本小児科学会発行媒体より

乳幼児揺さぶられ症候群というのは、まわりから見れば「あんなことをしたら、子どもが危険だ」と誰もが思うほどに激しく、 乳幼児が揺さぶられたときに起こる重症の頭部損傷です。

赤ちゃんというのは頭が重たくて頚の筋肉が弱いので、揺さぶられたときに頭を自分の力で支えることができません。
その結果、速く強く揺さぶられると、頭蓋骨の内側に脳が何度も打ち付けられて、 赤ちゃんの脳は損傷を受けるのです。これだけでも、重大な脳損 傷を起こす危険性がありますが、揺さぶられて具合の悪くなった 赤ちゃんを見て驚いた養育者が赤ちゃんを放り出したりすれば、 頭部はさらに大きな衝撃を受けてしまいます。

こうして、命を落とす乳幼児は少なくありません。また乳幼児揺さぶられ症候群の結果、命が助かっても次のような症状を起こすこともあります。

・脳の周りの出血(硬膜下血腫など)や脳の中の出血
・失明、視力障害
・言葉の遅れ、学習の障害
・後遺症としてのけいれん発作
・脳損傷、知的障害
・脳性麻痺

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/070815_shaken.pdf

またこれらはすぐに出なくて年単位で経過してから症状が発生する場合もあるようです。
ただし、明らかな揺さぶられエピソードがなければ証明するのも難しいとされています。

何れにせよ、ポイントは、『誰が見ても故意的に揺さぶる様な状態でなければ、揺さぶられ症候群は発症しない』と言うことです。
今回のご相談の動作は心配なさそうですよ。

またよく質問されますが、首が座る前に、首がガクンとしてしまった、車やベビーカーでの振動程度の揺れは、心配なさらくてもよいとする見解が一般的です。

つまり、抱っこする時、お子さんの姿勢を変える時、ゲップにまつわる動作や揺ら揺らとあやす、安定した体遊びなど常識的な範囲に関しては、いわゆる赤ちゃんの日常生活動作ですので、これで頭部に損傷が加わる事はありませんので、どうぞご安心くださいね。

厚生労働省でも揺さぶられ症候群の啓発活動をしています。
赤ちゃんが泣き止まない時の対処も含めてこちらの動画が参考になるかもしれません。
よかったら併せてご覧になってみてくださいね。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000030718.html

2021/6/30 9:46

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